La finta giardiniera 偽りの女庭師
今日は勤めている昭和音楽大学の修士課程修了オペラ公演の通し稽古でした。
指揮は師匠、星出豊先生の弟子が集まる「星出会」の大先輩
大勝秀也マエストロです。
モーツァルトのこの「偽りの女庭師」、タイトルをお聞きになったことは
あるでしょうか?
この作品は1756年生まれのモーツァルト18歳の時の作品です。まだ粗削りで、
レチタティーボ(チェンバロやチェロの伴奏で話すように歌われる部分)も
その後の傑作、フィガロの結婚やドン・ジョヴァンニなどとは比べ物になりません。
曲もアンサンブルは冒頭や幕の終わりに限られて、後は登場人物が
一人で歌うアリアばかりです。
でも、モーツァルトのその後の作品を知っていると、未来の傑作へのアイデアが既に
散りばめられていてニンマリしてしまいます。
修士課程の学生たちは正に”頑張って”歌っています。
一線で活動する指揮者、演出家、照明家や舞台スタッフや助演の助けを借りてはいますが、
何より、必死に歌い演技する彼らの120パーセントの表情や歌声を聴いていると、
何か、ぐっと来るものがあります。
勿論レベルとしてはまだまだです。もしかすると・・この舞台を最後に
二度とこのような晴れやかな舞台に主役として立つ事がない生徒もいるでしょう。
ただ、感動と言うのは単純なようで複雑・・いくらお金を払って大きなプロダクションの
公演を見てもさっぱり感動しない事もあります。
若さゆえのエネルギー、無鉄砲、やぶれかぶれ(笑)、挑戦心・・
これはある意味お金を払っても見る価値はあるな、と通し稽古が終わり感じた自分に
驚きました。
お時間のある方は是非、この素晴らしい作品と、若き歌い手達の”生き様”とも言える
舞台を見に・聴きにいらして頂けたらと思います。
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