イタリア公演 終わりました

今回のオーケストラメンバー、終演直後ですが、

皆良い顔していますね。

最高のメンバーでした。


今回は最初に24日のコンサート(ミラノのカーザ・ディ・ヴェルディで)の合わせが

ありました。そしてその日にレオノーラ役の

Rossella Redoglia さんとお会いして、トロヴァトーレの音楽合わせをしました。

この佇まい・・いかがでしょう。彼女の音楽に対する姿勢は

この姿を見れば分かると思います(ピアノの松本さんも)。

声を正面から聴いて気付いたのは、発音の柔らかさ、(イタリア語が本来持っている)弾む

ような語感、1つ1つの音を大切に扱う、決して押す(イタリア語ではspingereすると言いま

す)ことなく常に息に乗せて歌う、そして実はその自然な発声が全て確かなテクニックで計

画されていること、などでしょうか。



次の日から2日間、舞台稽古とGPでしたが、この2日間はまだ舞台セットも

照明も、イタリア人コーラスもいません(コーラスと初めて会ったのは本番当日16時)。

たまにオーケストラの奏者が盗撮をしてくれました📷(こちらもしました)



本番の日はコーラスが16時に来て一度コーラス部分のみ立ち稽古。話によると

ヴェローナの野外劇場に出ているメンバーもいて、もう何10回、ヘタをすると100回単位で

トロヴァトーレに出演したことがある強者揃い、何も問題なく後は軽く修正を言う

感じでした。

コーラスを聴いて感じたのは、pで歌う指定があるフレーズでも、ちゃんと声が聞こえ

表現として成立していること。そして当たり前な事ですが、その場面で必要なイタリア語の

表現が素直に表出されていること。



本場は20時開演、満員のお客さんが集まりました。

ちなみに、稽古から一貫して冷房はかかっておらず、蒸し暑かったです。


お客さんの反応は背中越しに色々と感じるものがありました。

まず、気軽に楽しんでいること。難しいものを見ると言うより、同じ目線で見て聴いて

素直に反応する様子は、演奏しているこちらをもリラックスさせました。



初めて本番で見る事が出来た(笑)照明と衣装と背後のスクリーンは、とても

素敵な仕上がりでした。ただ、このイタリア人のペースは日本ではまず有り得ないです

が・・・

終演したのは23時近く、しかし、お客さんは殆ど残っていて下さったのでは

ないでしょうか。舞台を作る者にはとても幸せなカーテンコールの時間でした。

全員舞台に揃い下手(客席から見て左)から指揮者が呼ばれます。何よりも大切なピットに

いる我がオーケストラに合図をして、拍手👏を受けてもらいます。

このサウンドがこの人数で生まれるとは、ソリストも演出家もコーラスもお客さんも想像し

ていなかった筈です。Siete bravi!!

右から4番目の女性は今回の演出家 Mei Linさん。とても気さくな方で、

時間がない中で精力的に動き回り指示していました。


この時はRedogliaさんが「Bravo 助けてくれてありがとう」と言うような言葉を

下さいました。


この公演に呼んでくださったアズチェーナ役の

こうの香代子さん(写真では左から5人目の方)にはいくら感謝しても足りません。

彼女は全二回の公演とは格段にレベルの上がった歌を歌われていました。勿論練習と経験の

賜物だと思いますが、もう一つの要因もあると思います。

これはイタリア人と接した音楽家なら分かると思いますが、彼らの良い声、正しい発音、

豊かに変化する表情に接するうちに自然に自分も正しいポジションに楽器が整えられてい

く、と言う事があるのではないでしょうか。

劇場がそうさせる、と言う事もあり得る話です。



ではオマケに、本番の次の日に行ったミラノの中央墓地の写真を。

イタリア人指揮者のA.トスカニーニ(1867~1957)家族もここに眠っています。

その娘ワンダと結婚したW.ホロヴィッツ(1903~1989)も同じ墓に眠ります。娘のソニアは病

気持ちで早くに亡くなりましたが、家族勢揃いで写真も飾ってありました。


トスカニーニは1913年にヴェルディ生誕100年記念で、ヴェルディ劇場で

「椿姫」と「ファルスタッフ」を指揮したそうです。同じ指揮台に立って

指揮をした今回の機会は、時が経つほどに、自分の中の重しのような貴重な体験・記憶と

なっていくと想像しています。



Petits Copains Violin&Piano

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